プラントは石油や発電など、さまざまな製品を製造する工場を指します。建築物の建設に欠かせない施工管理ですが、プラント建設の施工管理は一般的な建築物の場合とは業務内容が異なります。より高度なスキルや知識が求められるプラント施工管理の仕事は、年収がどれくらいなのか気になることでしょう。
この記事では、プラント施工管理の仕事内容、平均年収、年収を上げる方法などを解説していきます。
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■プラント施工管理の仕事内容
プラント建設の施工管理と、一般的な建築物の場合とで、どのような違いがあるのでしょうか?
◇建設業務の施工管理
施工管理は建物を建てるうえで欠かせない職種であり、工程・原価・品質・安全の4大管理を担います。一般的な建築と比べて大規模なプロジェクトであるプラント建設は、施工管理において独自の配慮と高度な仕事が求められます。
工程管理の面では、納期どおりにプラント建設を進めるだけでなく、プラントを正常に稼働させることが前提です。有資格者が必要な業務の人員配置、危険度が高い作業のダブルチェック体制など、さまざまな要素を考慮して工程を管理します。
プラントは高額な機械を導入するため、原価管理も重要な仕事の一つです。メーカーの選定と打ち合わせにより、求める機能を予算内で実装できるよう努める必要があります。
品質管理には、プラントの建物や機械の品質だけでなく、製造物の品質管理も含まれます。導入した機械に不具合がないかの確認、製造された製品の品質チェックも施工管理の仕事です。
安全管理の面では施工中の安全だけでなく、作業中のリスク管理も重要といえます。これはプラントの種類により、石油や天然ガスなどの引火性や爆発性のある危険物を扱うからです。
◇プラント設計・製造
プラント施工管理は設計図に沿って施工するだけでなく、プロセス設計や土木設計、電気設計などの設計業務に携わることもあります。いずれの設計も専門的な知識が必要になるため、専門職のエンジニアと協力して業務にあたることが一般的です。
◇品質検査
プラントの建設作業中、製造した製品が品質を保っているか検査することも施工管理の仕事です。設備が正常に作動するか、不良品がないかをチェックするため、設備と製品に関する製造技術の知識が求められます。発注者への引き渡し前に行なう試運転を含む、余裕をもったスケジュール管理も必要です。
◇試運転・メンテナンス
プラントが完成したあと、設置した設備の試運転を行ないます。試運転で問題点が見つかった場合、解決した状態で納期を迎える必要があるからです。
また、試運転で問題がない場合にも、その後の保守や管理業務を施工管理が担うケースもあります。
■プラント施工管理の年収はどれくらい?
プラント施工管理の平均年収、年齢と役職による年収の違いを見ていきましょう。
◇プラント施工管理の年収は高水準
プラント施工管理の平均年収は700万円を超え、他業種の施工管理と比べて特に高い水準です。施工管理の花形といえるゼネコンの平均年収は約660万円と、プラント施工管理が上回っています。
また、プラント業界の大手企業では、平均年収600万円~800万円というデータがあります。大手と比べて中小の年収は低くなることが一般的ですが、プラント関連の場合は中小企業でも平均年収は高い傾向にあるようです。
プラント施工管理やプラントエンジニアの年収が高いのは、大規模なプロジェクトの責任を負うこと、高度な専門知識が要求されることなどが要因として挙げられるでしょう。
◇【年齢・役職】プラント施工管理の年収
施工管理は経験と知識が必要になるため、年齢を重ねるにつれて年収がアップします。
大手では20代で500万円~750万円、30代で650万円~1000万円、40代で800万円~1200万円というデータがあります。中小企業の場合、大手企業よりも1~2割程度年収が低くなる傾向にあるようです。
施工管理の社員から、現場を統括するマネジメントへとキャリアアップすると、年収はさらに高くなります。施工管理の役職別の年収では、課長クラスから700万円程度に年収が上がることが多いようです。
プラント施工管理はベースの年収が高いため、役職がつくと全体平均よりも年収が高くなることが予想されます。
■プラント施工管理で年収アップする方法
プラント施工管理のキャリアパス、年収をアップする方法について紹介します。
◇マネージャーなどに昇進する
入社直後は施工管理の補佐を務めるため、年収はさほど多くありません。施工管理の経験を積み、マネージャーなどに昇格することが、プラント施工管理のキャリアアップ方法の一つです。プラントエンジニアのマネージャー職になると、年収1,000万円を超えることも珍しくありません。
マネージャーに昇進するには、マネジメントやコミュニケーションのスキルが求められます。プラント施工管理として経験を積むうえで、この点を意識しておくとよいでしょう。
また、資格を取得するなどして専門分野の知識をさらに深めることも、キャリアアップの足がかりになるでしょう。プラント施工管理に役立つ資格としては、1級建築士、1級施工管理技士が挙げられます。
◇海外赴任
海外の現地に赴任すると、手当てが支給されるため年収も高くなります。国内のプラント建設の需要は成熟期にあり、新規建設の需要は海外のほうが大きい状況です。特に急成長している中東や東南アジアの需要が高いため、海外赴任も視野に入れてもよいでしょう。ただし、海外赴任するには、語学力を身に付ける必要があります。
◇大手ゼネコンなどに転職
中小企業は大手からの下請けであることが多く、昇給に限界があるのも事実です。中小企業で年収アップが期待できない場合、大手ゼネコンなどに転職するのも一つの方法です。
先に述べたように、プラント施工管理の年収は大手企業のほうが高い傾向にあります。高度な知識が必要なプラント施工管理の経験があれば、大手に転職できる可能性は十分にあるでしょう。
■まとめ
プラント施工管理は、プラントの建設に関する4大管理のほか、製品の品質管理、試運転などさまざまな業務を担います。
一般的な建設物の施工管理と比べ、プラント施工管理は設備機器や製造の知識が求められる高度な仕事です。そのため、プラント施工管理は他の業種と比べて、年収が高い傾向にあります。年収を上げるにはマネージャーへの昇進や海外赴任、大手ゼネコンへの転職など、選択肢もさまざまです。
プラント施工管理のキャリアアップや転職でお悩みの方は、現キャリのキャリアアドバイザーにぜひ一度ご相談ください。
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