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積算業務における向き不向きとは?積算業務に必要なスキル能力について

更新:2024-04-21

積算業務における向き不向きとは?積算業務に必要なスキル能力について

積算業務とは建設業界独自の業務で、工事費用を算出するのがおもな仕事です。建設の専門知識が必要、数字を扱う、細かい作業が多いなど、積算業務は向き不向きがはっきりしている仕事といえます。では、積算業務に向いている人には、どのような特徴があるのでしょうか? 今回は、積算業務の概要を踏まえ、不向きな人、向いている人の特徴について解説します。

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■積算の概要と仕事の流れ

積算に利益を加算した見積書を提示する様子

積算の概要と、具体的な積算業務の流れについて見ていきましょう。

◇そもそも積算とは?

積算とは、建設工事に必要な工事費用を算出することです。仕様書や設計図書をもとに、工事に必要な材料と数量、人件費、建設期間などを踏まえて工事費用を算出します。使用する材料、作業する人員の数量を拾い出したら、積み上げ方式で計算するのが積算の特徴です。

そもそも建設工事は受注生産であり、施工場所や構造物など、ひとつとして同じ条件の工事はありません。そのため、現場ごとに積算を行い、正確な工事費用を算出する必要があります。工事費用は発注者だけでなく、利益を把握するうえで受注側にとっても重要な数字です。

なお、積算で算出するのは工事にかかる「実費」であり、利益を含めた見積もりとは異なります。

◇積算業務の流れ

積算業務の具体的な流れを、順を追って解説します。

・工事に必要な人材・材料の数量算出

数量算出とは、仕様書や設計書をもとに、工事に必要な材料、数量を拾い出すことです。施工に必要な材料だけでなく、仮設工事費、電気代などの諸費用も拾い上げる必要があります。

また、施工条件をもとに、施工に必要な資格や職種を検討します。設計図などから作業に必要な人員数を拾い出し、賃金相場をもとに人件費を算出する流れです。

・工事費用の算出

工事に必要な人材、材料、単価を確認し、工事費用を算出します。工事費用の算出は、「数量×単価」で求めることが可能です。人件費は作業員の職種ごとに、軽作業員、普通作業員、特殊作業に分けて計算を行います。

なお、工事費用の計算に用いる単価は、建設物価調査会の「建設物価」、経済調査会の「積算資料」などを参考にします。

・利益金額の設定

積算業務の担当者が金銭の一括管理をすれば、詳細な利益金額の設定が可能になります。そのため、算出した工事費用に基づき、工事で得られる利益金額を設定するのも、積算業務の担当者の仕事となるのが一般的です。

また、建設工事で利益を得るのは自社だけでなく、材料を発注する業者、外部の工事業者、電気業者なども同様です。お互いに利益を残すため、価格交渉を行うことも積算業務に含まれます。

・必要書類の作成

積算作業を終えたら、内訳明細書、数量調書、見積書などの書類作成を行います。内訳明細書は、内訳書、明細書、仕訳票と内容が細分化されています。材料の規格や数量、単価、金額など、明細を正確に記載しなければなりません。

書類の金額にミスがあった場合、発注者や取引との信頼関係に関わります。積算担当者は記載内容に抜けや漏れがないよう確認し、正確な書類を作成することが大切です。

■積算業務に向き不向きはある?

積算で数字の拾い出しをする様子

積算業務に向いていない人、向いている人の特徴について解説します。

◇積算業務に向いていない人とは?

積算業務は計算がメインの仕事であるため、極端に数字が苦手な人は厳しいといわざるを得ません。

また、積算業務は設計図を読み込んで数量を拾い出し、単価を設定したうえで工事費用を算出します。細かい作業の積み重ねで工事費用を算出するため、細かい作業が苦手な人も積算業務に向いていないでしょう。 

積算業務は計算を間違えると、工事費用の金額が変わってしまいます。少しのミスが大きな影響をもたらすため、確認を重ねながら計算する慎重さが必要です。せっかちな人、大雑把な人も、積算業務に向いていないといえるでしょう。

◇積算業務に向いている人の特徴

簡単に積算業務に向いている人の特徴を挙げると、建設の知識や数字に強いといった特徴が挙げられます。さらに詳しく掘り下げると5つの特徴が見えてきます。

・建設の基礎知識がある

積算業務に携わるには、設計図や仕様書、資材の種類や価格など、建築の専門知識や専門用語の知識が必要です。また、建設を実現するために必要な人材や施工業者の知識、工期に関する知識など、幅広い専門知識が求められます。

そのため、建設や設計に関する勉強、CADの経験がある方は、積算業務において有利になります。建設現場に立ち会った経験や、工事作業や施工監理など現場経験も、積算業務に大いに役立つでしょう。

・数字に強い

数字や計算に抵抗がない、計算力がある人は、積算業務に向いています。

材料を計算するには、床や壁、外壁などの面積計算、部材数量の割り出しといった計算が必要です。複雑で細かい計算を連続して行うため、複雑な要素を反映させる計算力が求められます。

また、積算業務では少しの計算ミスで工事費用が狂うため、不明点があった場合、設計者に確認する慎重さも必要です。

・粘り強く、コツコツとした仕事ができる

前述のとおり、積算業務は細かい作業の積み重ねであり、コツコツと仕事に取り組める人に向いています。

施工中に変更の指示が入ると、図面を見直し、見積書などを修正しなければなりません。場合によっては修正をくり返し行うこともあるため、細かい作業を粘り強くできることは積算業務に必要な要素です。

・目標に向けて試行錯誤できる

顧客の要望をすべて反映させると、予算オーバーする可能性があります。顧客の要望にできるだけ応えるため、積算業務で材料を変更する、工法を変えるなどアイデアを提案することも積算業務の役割です。

また、顧客の目標数字を意識して行動でき、目標に向けて試行錯誤できる人は積算業務に向いているといえるでしょう。

・コミュニケーション能力がある

積算業務は一人で黙々とする仕事ではなく、周囲の人とコミュニケーションをとる機会が多くあります。設計者や現場監督、請負業者など、関係者と交渉や調整を図りながら積算業務を行うためです。

また、施工業者や建材業者など、利益を残すための価格交渉も積算業務の仕事です。コストマネジメントを行ううえで、単なるコミュニケーション能力ではなく、交渉力も積算業務に必要な能力です。

■まとめ

積算業務は建設の専門知識を必要とし、計算を含めた細かい作業が多い仕事です。数字や計算、細かい作業が苦手な方は、積算業務に向いていない可能性が高いでしょう。一方、数字や計算に強い、コツコツと粘り強く作業できる、コミュニケーション能力が高いといった方が、積算業務に向いているので、未経験でもチャレンジすることをお勧めいたします。

積算業務に興味があるものの、適性があるか気になる方は、ベスキャリ建設のキャリアアドバイザーにご相談ください。

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