第二種電気工事士の技能試験では、実際に工具や電線、配線器具などを使い、指定された電気回路を完成させます。
学科試験とは異なり、知識を覚えるだけではなく、限られた時間内に正確な施工を行う技能が必要です。一方、技能試験では事前に候補問題が公表されるため、出題内容を想定した練習ができます。
この記事では、第二種電気工事士の技能試験について、試験内容や候補問題、必要な工具、勉強方法、時間短縮のコツ、不合格につながる欠陥まで詳しく解説します。
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第二種電気工事士の技能試験とは?
第二種電気工事士試験では、学科試験だけでなく技能試験への合格も必要です。
技能試験では配線図や施工条件を読み取り、支給された材料と持参した工具を使って作品を完成させます。
技能試験では実際に配線作業を行う
技能試験では、問題用紙に記載された配線図や施工条件に従って電気回路を施工します。
電線を適切な長さに切断して被覆を剥ぎ、スイッチやコンセントなどの器具へ接続します。さらに、リングスリーブや差込形コネクタなどを使って電線同士を正しく接続しなければなりません。
学科試験で電気工事に関する知識を身につけていても、実際の施工に慣れていなければ時間がかかります。そのため、技能試験では繰り返し手を動かして練習することが重要です。
試験時間は40分
第二種電気工事士の技能試験時間は40分です。限られた時間内で作品を完成させる必要があります。
時間内に完成させるには、施工そのものだけでなく、問題確認や複線図、電線の切断、被覆剥ぎ、器具への接続、圧着、最終確認まで効率よく進めなければなりません。
練習の段階から時間を計測し、どの工程で時間がかかっているのか把握しておきましょう。
事前に公表される13問の候補問題から出題される
第二種電気工事士の技能試験では、試験前に候補問題が公表されます。
2026年度も電気技術者試験センターが技能試験候補問題を公開しています。候補問題はNo.1〜No.13まであるため、受験者は事前に出題を想定した練習が可能です。
実際に2026年度上期の技能試験でも、公表問題No.1〜No.13に対応する13種類の問題と解答が公開されています。
出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「第二種電気工事士の技能試験の候補問題」
技能試験は点数ではなく欠陥の有無が重要
技能試験について、「何点取れば合格できるのか」と考える人もいるかもしれません。しかし、学科試験のように正答数を積み上げて合格基準点を目指す試験ではありません。
完成した作品について「欠陥の判断基準」に基づいて判定されます。施工条件を満たした作品を完成させるだけでなく、欠陥を残さないことが重要です。
出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「技能試験に係る欠陥の判断基準等について」
第二種電気工事士の技能試験の難易度・合格率
第二種電気工事士の技能試験は、十分な練習をすれば未経験者でも合格を目指せます。
ただし、候補問題が事前に公表されるからといって、練習せずに簡単に合格できる試験ではありません。
技能試験の合格率は比較的高い
第二種電気工事士の技能試験では、例年多くの受験者が合格しています。ただし、合格率だけを見て「簡単な試験」と判断するのは避けたほうがよいでしょう。
技能試験まで進んだ受験者には、候補問題を繰り返し施工するなど、十分な対策を行っている人も多いと考えられるためです。
初心者・未経験でも合格を目指せる
技能試験では高度な現場経験そのものが問われるわけではなく、事前に候補問題が公表されています。
そのため、電気工事の実務経験がない人でも、工具の扱い方や基本的な施工方法を段階的に練習することで合格を目指せます。
最初は完成まで時間がかかっても問題ありません。まずは正確に施工することを優先し、慣れてから徐々に作業時間を短縮していくとよいでしょう。
簡単そうに見えて不合格になる人がいる理由
候補問題を施工できるようになっていても、本番で欠陥を残せば不合格になる可能性があります。よく注意したいのは、次のようなポイントです。
- 施工条件を読み間違える
- 電線の接続先を間違える
- リングスリーブの圧着を誤る
- 差込形コネクタへの挿入が不十分になる
- 器具への結線を間違える
- 作業に時間をかけすぎて完成できない・見直し時間を確保できない
「作品を作れること」と「本番で欠陥なく時間内に完成できること」は別だと考えて対策しましょう。
第二種電気工事士の技能試験で出題される候補問題13問
第二種電気工事士の技能試験対策では、候補問題の攻略が重要です。
試験年度の候補問題を確認し、それぞれで使用する器具や施工上のポイントを把握しておきましょう。
候補問題は試験前に公式サイトで公表される
電気技術者試験センターは、第二種電気工事士の技能試験候補問題を公式サイトで公開しています。
2026年度についても13問の候補問題が公表されています。
技能試験を受験する場合は、教材だけを見るのではなく、その年度の公式候補問題も確認しておきましょう。
出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「第二種電気工事士の技能試験の候補問題」
候補問題13問はすべて練習しておく
特定の候補問題だけに絞って練習するより、13問すべてを一度は施工しておくと安心です。
問題によって使用する器具や施工方法が異なるため、得意な問題だけを繰り返していると、苦手な器具を含む問題が出た際に時間を取られる可能性があります。
まず13問の特徴を理解することを優先し、その後、時間がかかった問題やミスの多かった問題を重点的に復習しましょう。
候補問題ごとに注意するポイントを整理する
| チェック項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 完成時間 | 40分以内だったか |
| 複線図 | 結線を正しく整理できたか |
| 電線加工 | 長さや被覆処理に問題がなかったか |
| 器具接続 | 接続箇所を間違えなかったか |
| 圧着 | 適切に施工できたか |
| 最終確認 | 欠陥を自分で発見できたか |
「No.○は圧着でミスした」「○○の施工に時間がかかった」と記録しておけば、自分の弱点が明確になります。
第二種電気工事士の技能試験に必要な工具
技能試験では、受験者自身が工具を準備します。試験直前に初めて工具を使うのではなく、普段の練習から本番で使用する工具に慣れておくことが大切です。
指定工具(基本工具)
| 工具 | 主な用途 |
|---|---|
| ペンチ | 電線などの切断 |
| プラスドライバー / マイナスドライバー | ネジの締め付け、器具の操作など |
| 電工ナイフ | 電線・ケーブルの加工 |
| スケール | 長さの確認 |
| リングスリーブ用圧着工具 | リングスリーブの圧着 |
| ウォーターポンププライヤー | 管などを扱う作業 |
あると作業時間を短縮しやすい工具
技能試験では、VVFストリッパーなどを使って作業を効率化する方法があります。
VVFケーブルの外装や電線の絶縁被覆を素早く剥ぐことができれば、電工ナイフだけで加工する場合と比べて大幅に作業時間を短縮しやすくなります。
工具を選ぶときの注意点
特に注意したいのが、リングスリーブ用の圧着工具です。技能試験で使用できる条件(JIS C 9211適合の黄色柄のもの等)に合った工具を準備する必要があります。
また、工具を試験直前に買い替えると、操作感覚が変わって作業しにくくなるため、本番で使用する工具を早めに決め、練習でも同じものを使いましょう。
第二種電気工事士の技能試験に合格するための勉強法
技能試験対策では、最初から40分以内の完成だけを目指す必要はありません。段階を追って練習を進めていきましょう。
- ①複線図の書き方を覚える
結線を理解せずに暗記だけで施工しない。素早く整理できるよう練習。 - ②工具の使い方(単位作業)を練習する
切断、被覆剥ぎ、器具接続、圧着などの基本動作をスムーズにする。 - ③候補問題13問を一通り施工する
1周目は正確性を優先し、問題ごとの特徴や苦手箇所を洗い出す。 - ④苦手な作業を繰り返し練習する
器具への結線や圧着など失敗しやすい作業を切り出して反復練習。 - ⑤40分を計測して候補問題を通しで練習する
完成後数分程度の見直し時間を残せるスピードを目指す。 - ⑥欠陥のチェックを習慣化する
公式基準と照らし合わせ、「合格できる施工か」を必ず確認。
出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「技能試験に係る欠陥の判断基準等について」
第二種電気工事士の技能試験を40分以内に完成させるコツ
作業スピードを上げるには、単純に手を速く動かすのではなく、迷う時間ややり直しを減らすことが重要です。
- 複線図に時間をかけすぎない
自分なりの書き方や確認順序を固定する。 - 電線の寸法測定を効率化する
焦って短く切りすぎない。測定方法を練習段階で固めておく。 - VVFストリッパーを使いこなす
考えなくても扱えるレベルまで使い込む。 - 器具ごとの作業手順を固定する
同じ作業を同じ手順で行い、次に何をするか考える時間を削る。 - 苦手な工程を特定して個別練習する
停滞する原因を潰すことが一番の時短になる。
練習時の時間配分例(目安)
| 工程 | 練習時の時間配分例 |
|---|---|
| 問題・施工条件の確認 | 2〜3分 |
| 複線図・結線確認 | 3〜5分 |
| 電線加工・器具接続 | 20〜25分 |
| 結線・圧着 | 5〜7分 |
| 最終確認(見直し) | 3〜5分 |
第二種電気工事士の技能試験で不合格につながる「欠陥」とは?
電気技術者試験センターでは「欠陥の判断基準」を公表しています。一発不合格となる主な要因を確認しておきましょう。
- 未完成:時間内に施工が終わらない。
- 配線・結線ミス:施工条件や回路図と異なる接続。
- リングスリーブ圧着ミス:電線サイズとスリーブサイズ・刻印の不一致。
- 差込形コネクタの挿入不十分:芯線が奥まで差し込まれていない、または芯線が露出しすぎている。
- 電線被覆の損傷:芯線を傷つけたり、絶縁被覆を剥ぎすぎている。
- 器具への接続ミス:極性(シロ・クロ)の勘違い、端子ネジへの巻き付け不良。
- 施工条件の見落とし:指定された電線・器具の位置・結線方法の無視。
出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「電気工事士技能試験(第一種・第二種)欠陥の判断基準」
第二種電気工事士の技能試験は独学でも合格できる?
候補問題や公式資料を確認しながら独学で対策することは十分可能です。
ただし、教材を読むだけでなく練習用の電線や器具を購入し、実際に手を動かすことが必須となります。
動画教材で動作のイメージを掴み「動画見る→実際に施工→完成確認」の流れで練習を進めましょう。
独学で40分以内に収まらない場合は、単発の講習会等を利用するのも手です。
第二種電気工事士の技能試験はいつから勉強すればいい?
未経験の場合は、学科試験終了直後から速やかに技能対策へ切り替え、候補問題を繰り返し施工できるだけの期間(約1ヶ月〜1.5ヶ月)を確保するのが理想です。
| 時期 | 練習内容の例 |
|---|---|
| 1週目 | 工具の準備・複線図・基本(単位)作業の練習 |
| 2週目 | 候補問題13問を順番に施工(正確性優先) |
| 3週目 | 苦手な問題・苦手な単位作業を集中反復 |
| 4週目〜直前 | 40分のタイマー通し練習&欠陥チェックの徹底 |
第二種電気工事士の技能試験当日の流れと注意点
当日は普段と異なる環境で焦りやすくなります。以下のステップを心掛けましょう。
- 持ち物を事前に確認:使い慣れた工具、筆記用具、時計等を前日までに準備。
- 材料確認を丁寧に行う:監督員の指示に従い、支給材料に不足や不備がないか確認。
- 施工条件を必ず確認:暗記に頼らず、問題用紙の指定(色・長さ・接続方法)を毎回読む。
- 時間が余ったら欠陥がないか見直す:結線、極性、圧着刻印、差込状態を最後までチェック。
第二種電気工事士の技能試験に関するよくある質問
Q. 第二種電気工事士の技能試験は難しいですか?
A. 事前に候補問題13問が公表されるため対策しやすい試験ですが、工具の扱いや40分という制限時間に慣れていないと難しく感じます。反復練習が不可欠です。
Q. 技能試験は何点で合格ですか?
A. 点数制ではなく「欠陥がゼロであること」が合格条件です。
Q. 候補問題13問のうち何問を練習すればいいですか?
A. 基本的には13問すべてを一度は練習してください。問題によって使う器具や作業手順が異なるためです。
Q. 複線図を書かなくても合格できますか?
A. 複線図を書かずに合格する人もいますが、結線ミス(欠陥)を防ぐためには短時間で複線図を書いて整理することをおすすめします。
まとめ|第二種電気工事士の技能試験は候補問題を繰り返し練習しよう
第二種電気工事士の技能試験では、事前に公表された候補問題を使って本番に近い練習ができます。
技能試験対策では、候補問題を丸暗記するだけではなく、工具の扱い方や複線図、器具への接続、圧着などの基本作業を身につけることが重要です。
13問を一通り実施した後は苦手な作業を重点的に練習し、見直し時間を含めて40分以内で完成できる状態を目指しましょう。