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2級土木施工管理技士とは?【2024年度版】試験概要や受験スケジュール・合格率

2級土木施工管理技士とは?【2024年度版】試験概要や受験スケジュール・合格率

2級土木施工管理技士は、現場の主任技術者として工程管理・品質管理・安全管理などに携わるために必要な資格です。そのため土木工事の施工管理における登竜門のような資格といわれています。
2級土木施工管理技士は工事内容で3つの種別があり、それぞれ検定科目と第二次検定の実務経験内容が異なります。今回は、2級土木施工管理技士の仕事内容や検定に関して解説します。

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土木施工管理技士とは?

「土木施工管理技士」は建設業法に基づく国家資格で、土木施工管理の技術があることを証明できる資格です。工事種別により7つの資格があり、土木施工管理技士はその1つです。

◇ 1級土木施工管理技士と2級土木施工管理技士の違いは?

土木施工管理技士には1級と2級がありますが、その違いは扱える工事の規模にあります。
工事を行う建設会社には、契約締結や発注業務など主に内勤業務を担う「専任技術者」を、営業所ごとに配置する必要があります。また500万円未満などの軽微な工事以外の工事現場には、現場の進行管理や安全管理などを担う「主任技術者」を配置することが定められています。

1級土木施工管理技士も2級土木施工管理技士も、専任技術者または主任技術者として働くことができます。
ただし、2級土木施工管理技士は中小規模の工事だけを扱う企業の専任技術者か、中小規模の工事の主任技術者にしかなれません。大規模な工事に携わるには、1級土木施工管理技士の資格が必要です(詳しくは後述します)。

資格取得のためには「土木施工管理技術検定」に合格する必要があります。
1級も2級も第一次検定と第二次検定からなり、第一次検定に合格すると「1級土木施工管理技士補」または「2級土木施工管理技士補」の資格が与えられます。施工管理技士補は大規模工事を管理監督する「監理技術者」の不足を補うために2021年に新設されました。

1級施工管理技士補は他の現場を兼務している「監理技術者」の補佐として、現場指揮を担うことができます。
2級土木施工管理技士補は、その資格を持っているだけで何かができるものではありません。
しかし企業にとっては、公共工事の入札参加にあたって実施される「経営事項審査」において1級も2級も加点対象となるため、有資格者は就職活動にあたって有利になるでしょう。
 

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◇土木施工管理技士として認められるとできる仕事内容

土木施工管理技士は国家資格である施工管理技士の1つで、土木工事において工程・原価・品質・安全という4つの管理を担当します。
2級土木施工管理技術検定は土木・鋼構造物塗装・薬液注入の3種類に分かれており、どれか1つを選択して受検します。合格した1つの分野のみで専任技術者または主任技術者として働くことができます。
これに対して1級は合格した分野に関係なく、すべての分野で働くことができます。

2級土木施工管理技士:技術者の許可種目

工事の種類

土木

鋼構造物塗装

薬液注入

土木(一式)工事

 

 

とび・土工・コンクリート

 

石工事

 

 

鋼構造物工事

 

 

舗装工事

 

 

しゅんせつ工事

 

 

塗装工事

 

 

水道施設工事

 

 

解体工事

 

 

出典:建設管理センター

土木施工管理技士の資格を取得するメリット

既に述べたように、建設会社などは営業所ごとに専任技術者を配置する必要があります。
請負代金が4,500万円以上(建築一式の場合は7,000万円以上)の工事を請負う「特定建設業」の企業は、専任技術者として1級土木施工管理技士を配置する必要があります。
この規模以下の工事のみを扱う「一般建設業」の企業の場合は、2級土木施工管理技士でも専任技術者として働くことができます。

またすべての工事現場には、現場の管理監督などを行う主任技術者の配置が義務付けられています。こちらも、請負代金が4,500万円以上(建築一式の場合は7,000万円以上)の工事現場には、主任技術者ではなく「監理技術者」を配置することとなっており、監理技術者になれるのは1級土木施工管理技士だけと定められています。
つまり、2級土木施工管理技士は、上記の規模以下の工事現場でのみ主任技術者として働くことができます。

このように、専任技術者や主任技術者の配置は法律で定められているため、土木施工管理技士の有資格者は就職に有利になるでしょう。2級よりも1級のほうがより有利ですが、若手が2級資格にチャレンジしやすいよう制度改正されたことや人手不足の状況を考えると、2級であっても「仕事へのモチベーションが高く、将来性のある求職者」として、企業が評価する可能性は高いといえます。
 

《2024年度》2級土木施工管理技士試験の受検資格とスケジュール

ここまで、土木施工管理技士取得のメリットなどについて解説してきました。次に具体的な検定の受検資格やスケジュールなどについて確認していきましょう。

◇受検資格

2級土木施工管理技術検定は他の施工管理技術検定と同様、第一次検定、第二次検定と2段階に分かれています。2024年度から検定制度が改正され、受検資格が緩和されました。

第一次検定(学科試験)については従来は実務経験が必要でしたが、新制度では、試験実施年度に満17歳以上となる方であればだれでも受検することができます。

第二次検定の受検資格には実務経験が必要です。旧制度では学歴によって必要実務経験年数が細かく異なりましたが、新制度では2級土木施工管理技士検定第一次検定合格後1年以上の実務経験年数というシンプルな形に変更されました。
ただし制度移行期のため、いつ第一次検定に合格したかによって必要とされる実務経験年数が異なりますので、必ず公式サイトでご確認ください。

なお、2024~2028年度までは移行措置として、新旧どちらの受検資格で受験するか選ぶことができます。
 

検定 受検資格
第一次検定 検定実施年度に満17歳以上
第二次検定 第一次検定合格後1年以上の実務経験

詳しくは、一般財団法人 全国建設研修センター 2級土木施工管理技術検定をご確認ください。

◇申込方法と申込期間

2級土木施工管理技術検定の申込方法はインターネット申込と書面申込があります。
実務経験が不要の第一次検定のみを受検する方はインターネット申込だけとなります。
第二次検定の受検には実務経験のチェックが必要なため、第二次検定を新規に受験する方は書面申込しか選べません。
再受検者はインターネット申込、書面申込、どちらでも選べます。

申込用紙はインターネットなどからの郵送販売と窓口販売があります。販売期間も決まっているため、必ず公式サイトで確認しましょう。
詳しくは、一般財団法人 全国建設研修センター 2級土木施工管理技術検定をご確認ください。
 

受検申込方法

  第一次検定のみの受検 第一次・第二次を受検 第二次検定のみの受検
新規受験 インターネット申込 書面申込 書面申込
再受験 インターネット申込 インターネット申込
または書面申込
インターネット申込
または書面申込

申込期間

申込方法 申込期間
第一次検定(前期) 3月6日(水)~21日(木)
※インターネット申込のみ。申込終了済。
第一次検定(後期)
第二次検定
インターネット申込 7月3日(水)~17日(水)
書面申込 6月17日(月)~7月17日(水)

◇検定日と合格発表

検定区分 検定日 合格発表
第一次検定(前期) 6月2日(日) 7月2日(火)
第一次検定(後期) 10月27日(日) 12月4日(水)
第二次検定

2025年2月5日(水)

◇検定会場

2024年度の試験会場は以下になります。変更されることもあるため、公式サイトでも確認しましょう。

受検申請区分 種別 検定会場
第一次検定(前期) 土木 札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇
第一次検定(後期) 土木 札幌、釧路、青森、仙台、秋田、東京、新潟、富山、静岡、名古屋、大阪、松江、岡山、広島、高松、高知、福岡、熊本、鹿児島、那覇
第一次検定(後期) 鋼構造物塗装
薬液注入
札幌、東京、大阪、福岡
第二次検定 土木 札幌、釧路、青森、仙台、秋田、東京、新潟、富山、静岡、名古屋、大阪、松江、岡山、広島、高松、高知、福岡、鹿児島、那覇
第二次検定 鋼構造物塗装
薬液注入
札幌、東京、大阪、福岡

詳しくは、一般財団法人 全国建設研修センター 2級土木施工管理技術検定をご確認ください。

◇受検手数料

手数料は以下の通りです。

受検申請区分 検定手数料
第一次検定・第二次検定 10,500円(非課税)
第一次検定 5,250円(非課税)
第二次検定 5,250円(非課税)

土木施工管理技術検定の検定内容

2級土木施工管理技士資格の検定の試験内容は下記の通りです。試験の合格基準は、第一次検定、第二次検定で各60%の得点になります。

検定区分 検定科目
  土木 鋼構造物 塗装 薬液注入
第一次検定 土木工学等
土木工学、電気工学、電気通信工学、機械工学及び建築学に関する知識
施工管理法施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する知識、施工の管理を行うために必要な能力 鋼構造物塗装
施工管理法

施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する知識、施工の管理を行うために必要な能力
 
薬液注入
施工管理法

施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する知識、施工の管理を行うために必要な能力
 
法規
建設工事の施工に必要な法令に関する知識
第二次検定 施工管理法
主任技術者として、施工の管理を行うために必要な知識と能力
鋼構造物塗装
施工管理法

主任技術者として、施工の管理を行うために必要な知識と能力
       薬液注入
施工管理法

主任技術者として、施工の管理を行うために必要な知識と能力

 引用:一般財団法人 全国建設研修センター

土木施工管理技術検定の合格率は?

2019~2022年度の2級土木施工管理技術検定の合格率は以下のとおりです。第一次検定は60~70%と高い合格率です。一方第二次検定は30~40%となっています。
難関資格というほど難しいわけではないものの、出題範囲が広く、第二次検定では記述問題もあります。しっかり対策を立て、計画的に学習を進める必要があります。
 

2級土木施工管理技士資格の合格率

年度

検定区分

土木

鋼構造物
塗装

薬液注入

2019

学科試験

63.9%

64.9%

76.7%

実地試験

47.6%

34.5%

33.3%

2020

学科試験

70.4%

42.1%

71.3%

実地試験

52.8%

48.3%

41.8% 

2021

第一次検定

72.6%

66.0%

83.7%

第二次検定

40.8%

31.9%

22.8% 

2022

第一次検定

64.0% 47.9% 79.8%

第二次検定

37.9% 28.3% 30.6%

出典:国土交通省

土木施工管理技士試験に合格するポイント

2級の土木施工管理技士試験に合格するには、通常の資格試験と同様に過去問を解いて自分の得意・不得意の分野を確認して対策をするのが重要です。

第一次検定についてはマークシート方式、第二次は作文もありますが、過去問に回答例なども載っているため、それを参考に対策をすれば効率的な勉強が可能です。
また、第二次の経験記述については、実際の検定日に指定されたテーマについて記述をする必要があるため、ランダムで出た場合にも対応できるよう予行練習をしておきましょう。書き方は5W1Hを明確にし、事実を具体的かつ簡潔に書くことがポイントです。

記載する数値についてだけは記憶することが必要なので、忘れないように何度も記憶を定着させるように取り組みましょう。

まとめ

2級土木施工管理技士資格を取得すると、一般建設業の小規模な現場の主任技術者、専任技術者を務められます。2級土木施工管理技士は土木、鋼構造物塗装、薬液注入の3つの種別があり、施工管理法科目の内容が異なります。

第一次検定に受検資格はなく、17歳以上なら誰でも受検が可能です。しかし、第二次検定を受検するには、第一次検定の合格に加え、受検した種別の実務経験などが必要です。
第一次検定に合格すると、資格手当や転職で有利になる2級土木施工管理技士補を取得できます。60%以上の得点で合格できるため、土木工事の施工管理に携わる方は受検を検討しましょう。

資格取得に必要な実務経験など不明点がある方は、アドバイザーにご相談ください。

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